喫茶ポストアポカリプス

よくわからん根っこを煮だした茶とよくわからんペースト状の食い物をアルミの食器で供する。

Кафе постапокалиптический

ひとりゴジラと超全集(2012年10月Life感想に代えて)

TBSラジオの文化系トークラジオLife10月放送分の「うれしはずかし文化的初体験」をゆっくりゆっくりPodcastで聴いていたら、最後のほうに、文化系初体験のひとつとして、一人での映画鑑賞が挙げられていた。
自分が初めて一人で映画館に映画を見に行ったのか、思い出してみると、『ゴジラvsモスラ』(1992)だったと思う。一人映画が文化的初体験として挙げられるのであれば、当時の僕は4歳、実にずいぶんと早熟な子供だったということになる。といってもボンクラ人生の始まりともいえるのだけど。
両親が40を超えてからの子だった僕に合わせて一緒に怪獣映画を観るということは母には難しかったのか、この頃から映画を見るときは梅田ナビオの梅田劇場(現・TOHOシネマズ梅田)まで連れて行ってもらって、ひとり最前列でスクリーンにかじりついて観て、終わったら映画館のロビーで阪急百貨店で買い物を終えた母と合流、というのがお決まりだった。
当時は1984年のゴジラから、1995年の「vsデストロイア」まで毎年のように平成ゴジラシリーズが作られ、そのあとの平成モスラ三部作など、特撮怪獣映画があふれていた。
映画公開の度に、『てれびくんデラックス愛蔵版〜超全集』というムックを買ってもらって、ずっと読みふけっていた。今は手元に残っていないので、詳細は覚えていないが、各作品ごとに1冊にまとまったAB版の、子供には巨大な判型のずっしりとした本で、着ぐるみのメイキングや没デザインなどもカラーページで掲載されているようなあきらかに大きいお友達向けのムックだった。やがて、公開される最新作のもの以外にも、巻末に載ってる過去作の超全集にも徐々に手を出していき、ウルトラマンタロウが強烈に刺さったのを覚えている。今のちびっ子だと、TSUTAYAやHuluなんかで過去作のアーカイブに触れるのかしら。思えば、超全集との出会いが、後にカタログ的なBRUTUSなどの雑誌に興味を示すきっかけだったのかもしれないなぁと思う。今も、書店でTRANSITとか見ると、三つ子の魂百まで、でワクワクしてしまうのだ。あれはシャレオツなリア充さんの皮をかぶった万国超全集だよ、きっと。