喫茶ポストアポカリプス

よくわからん根っこを煮だした茶とよくわからんペースト状の食い物をアルミの食器で供する。

Кафе постапокалиптический

GODZILLAの感想をつらつらと

ギャレス・エドワーズ監督の「GODZILLA」の感想をつらつらと挙げる。


冒頭・日本パート

核実験の記録映像のコラージュのようなオープニングからビキニ環礁の爆発、そして白んだスクリーンに降り注ぐ死の灰。今年観た映画の中で最もカッコイイオープニングだと思った。
ジャンジラ市という架空の原発のある街を描いた日本パートは芹沢博士の所属する「モナーク」という組織と共に、TV版の「新世紀エヴァンゲリオン」を思い出させる映像だった。隔離された廃墟の街、爆心地に秘匿された秘密基地は第三新東京市の風景を、そしてうごめく怪獣ムートーの奇異なシルエットは使徒を思い出させる。企画倒れとなってしまったハリウッド版のエヴァはこんな画になっていたのではないか、と思わせる。


ムートー

核エネルギーを食糧とするムートーが持つ能力がEMPということは放射線以外の形で核兵器の恐ろしさを表しているようで面白い。金子修介監督のギャオス、レギオンを足して二で割ってあさりよしとお使徒の感じを掛けたような形。チャイニーズ・シアターの前でオスのムートーがメスのムートーにプロポーズするかのように核ミサイルを捧げるシーンは今は亡きエメリッヒ公の演出を思わせる悪趣味さで大好き。


怪獣の動き

今回の怪獣は3DCGで描かれているけれど、ゴジラの動きをつけるにあたっては着ぐるみを意識したという。また、ギャレス監督はゴジラに「最後の侍」を意識したキャラ付けをしているとインタビューで答えている。後半の戦いっぷりは確かにそんなキャラ付けを感じさせる妙な寂しさも感じる部分もあったが、ムートーの首めがけて噛み付く動きなど、ホンモノの獣の動きを感じて、昭和のゴジラの戦いが緩慢なものにすら見えてしまう。ゴジラの動きがきぐるみなら、ムートーはキングギドラなんかのワイヤーによる操演を思い出した。次回作ではラドンモスラも出るというので空戦の表現も楽しみにしたいところ。




オチもないのでその代わりにOPの映像の元ネタの一つ、ビキニ環礁の核実験の様子が収められた動画を。やっぱりおっかない。