喫茶ポストアポカリプス

よくわからん根っこを煮だした茶とよくわからんペースト状の食い物をアルミの食器で供する。

Кафе постапокалиптический

もう食べられない思い出の味

f:id:ozyakko:20140530130817j:plain 「思い出の味」と尋ねられて思い浮かぶのは、小さい子供の頃に母親によく連れられた洋食屋、ダイマツさんのオムライスとコーンポタージュスープだ。

ダイマツさんは昔からあったひなびた洋食屋さんで、少し抑えめのオレンジがかった照明が暖かく、落ち着くお店だった。

毎回のように頼むのはコーンポタージュスープとオムライス。

料理が出てくるのを待つ間、表紙の色あせた「あさりちゃん」や「つるピカハゲ丸くん」を読むのも楽しみだった。

先に出てくるのはコーンポタージュスープ。家で朝食に出されるコーンスープとは一味違って、滑らかでトローリとした口当たりが好きだった。

ダイマツさんのオムライスは昔ながらの薄焼き卵に覆われたものだった。ケチャップの酸味が聴いたチキンライス、それとコーンポタージュスープを交互に口に運ぶのが大好きだった。 お腹の弱かった僕だが、ここのコーンポタージュのおかげで牛乳が平気になったのかもしれない。

もうすっかり育った街とは縁遠くなってしまって、数年前に一度ダイマツさんに足を運ぼうと調べてみたら既に閉店している様子だった。 パーマが横に広がって、オムライスみたいな髪型のおばちゃんにももう会えないのだと思うとしんみりする。 お題「思い出の味」