喫茶ポストアポカリプス

よくわからん根っこを煮だした茶とよくわからんペースト状の食い物をアルミの食器で供する。

Кафе постапокалиптический

圧倒的情報量と愛に裏打ちされて焼成された極上のジャンクフード、「パシフィック・リム」

Twitterのタイムライン上がかしましいのと、Youtubeに挙がってくるギレルモ・デル・トロ監督がなんとも微笑ましいので観てきた。

冒頭からタイトルまでの導入部が素晴らしい。「コレが観たかったんや!」

本作の2大主役、KAIJUとイェーガーの意味が表示され、最初のKAIJUの襲来、破壊されるゴールデンゲートブリッジ、立ち向かう人類とイェーガーのニュース映像が細かくつなぎ合わされる。
そして、主役のイェーガー”ジプシー・デンジャー”の発進、KAIJU,ナイフヘッドとのアラスカの海での激突、雪原に倒れこむ”ジプシー・デンジャー”の姿…。
説明もくどすぎず、コアなヲタク以外の観客も置いてけぼりにしないでKAIJU WARの世界に導いてくれる映像だと思う。
ジプシー・デンジャーのコクピット=頭が胴体に向けて基地内を降りていくのに合わせて、勝手に僕の口角は上がっていった。ここまででもう、五億点。


冒頭だけで五億点なので、もはや内容についてはここではわざわざ書かない。
熱量をそのままに、観終わってからすぐに思ったのが、「暑苦しく語りたい!」ということだった。
何故に、この映画は語りたい欲をかきたてるのか。

それはやはりこの映画に込められた膨大な情報量と、ルーツである特撮、ロボアニメだけにとどまらないありとあらゆるこれまでの作品群へのデル・トロ監督の愛ゆえではないか。
来日中のインタビューでは、作品のアイデアがびっしり書き込まれたノートを持ち歩いていたデル・トロ監督。お台場のガンダムの前で柏手を打ち、バルタン星人と抱擁を交わし、
「一緒にサンフランシスコに住まないか。」とクドくデル・トロ監督。

例えるならそれは、巨大なシカゴピザのように、僕らボンクラを魅了する。

「太平洋のど真ん中なのにロボの足がつくのは円谷オマージュなんだよ!」「デル・トロ本当にクトゥルフ好きなのな。」「あのアングルは押井守だ!」
映画のそこかしこに溢れるその愛に、僕らはドリフトよろしく交信していったのだ。

マイケル・ベイの「トランスフォーマー」は例えるならきっとこんなやつ。↓