喫茶ポストアポカリプス

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Кафе постапокалиптический

ロード・トゥ・シビル・ウォー(2)キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー

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ATTENTION!

このエントリは映画館で映画をできるだけ見ようと思ってる人たちの会@MIMOLETTEにご参加で、マーベル・シネマティック・ユニバース(以下MCU)作品をご覧になったことのない方へのガイド記事です。第1弾と合わせてどうぞ。

「シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ」(以下シビル・ウォー)。毎年、大きな盛り上がりと拡大を広げるシリーズの最新作ですが、シリーズ初見の方には少々敷居の高い作品となっている感も否めません。 この記事で取り上げる「キャプテン・アメリカ/ウインターソルジャー」(以下「ウィンター・ソルジャー」)と次回の「アベンジャーズ/エイジオブウルトロン」の2作はシビル・ウォーに直接繋がる重要な作品なので、シリーズ初見の方もぜひ観てもらいたいのですが、時間がないぞという方のために主要キャラクターとあらすじをネタバレ気味に感想を交えつつ紹介します。

キャプテン・アメリカと過去の亡霊との戦い

70年の眠りから目を覚まし、スーパーヒーローチーム「アベンジャーズ」とともにキャプテン・アメリカスティーブ・ロジャース(以下、スティーブ。演、クリス・エヴァンス)は 監督はシビル・ウォーと同じく、アンソニー&ジョー・ルッソ兄弟。 以下に本作のメインキャストを紹介します。

キャプテン・アメリカ

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本名:スティーブ・ロジャース
特徴:70年の時を超えて目覚めた超人兵士
MCU初登場:「キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー」

演じるのはクリス・エヴァンス
第二次大戦中、「超人兵士」計画(S.S.R)の産物である超人血清でスーパーパワーを手に入れたヒーロー。 「アベンジャーズ」のニューヨーク決戦以降もS.H.I.E.L.D.に籍を置き、テロリストと戦います。 70年ぶりに目覚めた現代社会になれる一方、秘密の多いS.H.I.E.L.D(もとい、フューリー長官)に反発を覚えることもしばしば。 そんな中で「ウィンター・ソルジャー」の物語は幕を開けます。

ブラック・ウィドウ

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本名:ナターシャ・ロマノフ
特徴:S.H.I.E.L.Dの謎の女スパイ
MCU初登場:「アイアンマン2

演じるのはスカーレット・ヨハンソン。 射撃、格闘、諜報、電子戦に長けたS.H.I.E.L.Dの女エージェント。ニューヨークでも、アベンジャーズの一員として活躍します。

ニック・フューリー

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特徴:謎多き隻眼のS.H.I.E.L.D長官
MCU初登場:「アイアンマン」 ※「シビル・ウォー」では欠席の模様 演じるのはサミュエル・L・ジャクソン
キャプテン・アメリカ、アイアンマン、マイティ・ソー、ハルクの4人を集め、アベンジャーズを結成した司令官。「アベンジャーズ」でのニューヨーク決戦以降、増大するテロへの脅威に対して彼が発案した「インサイト計画」を巡って「ウインター・ソルジャー」の事件が起きます。

ファルコン

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本名:サム・ウィルソン 特徴:自由自在に空を飛ぶキャプテンの新しい相棒
MCU初登場:キャプテン・アメリカ/ウインター・ソルジャー

演じるのはアンソニー・マッキー。 本作で新しく登場したキャプテン・アメリカのサイドキック。 翼のついたジェットパックで空を自由に飛び回ります。

アレクサンダー・ピアース

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特徴:フューリー長官旧知のS.H.I.E.L.D理事 演じるのはロバート・レッドフォード
フューリーとはかつてボゴタで起こった人質救出作戦以来の仲。 彼とともに「インサイト計画」を推し進めますが、そこには彼の別の目的がありました。

ウインター・ソルジャー

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本名:バッキー・バーンズ
特徴:HYDRAに改造された謎の暗殺者 MCU初登場:キャプテン・アメリカ/ウインター・ソルジャー

演じるのはセバスチャン・スタン。
過去50年で起こった20件以上の事件に関わった謎の暗殺者。 その正体は、かつてスティーブと共に戦った親友、バッキー・バーンズ。 第二次大戦中に谷底へ落ちて死んだと思われていた彼はHYDRAに改造・洗脳されウィンター・ソルジャーとなっていたのでした。

「アベンジャーズ」以降のキャプテン・アメリカとS.H.I.E.L.D

ニューヨーク決戦以降もS.H.I.E.L.Dに籍を置いていたスティーブは日課であるリンカーン記念館前のランニング中に退役軍人のサム・ウィルソンと出会い、交流する。(ここでのスティーブのメモには彼がこおりづけになっている間の世界のことが書きつけられていて面白い。) そこにブラック・ウィドウが現れ、事件を知らせる。

舞台は変わってインド洋。 S.H.I.E.L.Dが保有する衛星打ち上げ船がテロリストによって占拠され乗組員が人質になる。 ガンシップから身ひとつで降下して船体を駆け抜けながらテロリストをやっつけていくスティーブをロングで捉えたシーンがパルクール風で実にカッコイイ。 隊長ラムロウ率いるS.H.I.E.L.Dの実働部隊「ストライクチーム」とブラック・ウィドウと共に船と人質を奪還するスティーブ。 ブラック・ウィドウはフューリー長官から密命を受け、船からデータを盗み出していた。

ワシントンDC、S.H.I.E.L.D本部「トリスケリオン」。 ここでインド洋での密命に関してフューリー長官を問い詰めるスティーブは、3機のヘリキャリアと人工衛星による監視網により、テロリストを遥か上空から監視、排除する「インサイト計画」の存在を彼から明かされる。 全世界の人類に銃口を突きつけるのか、と反発するスティーブはかつての自分と仲間達の活躍を残した展示会を訪れる。 そして、病床にあるかつての最愛の人、ペギー・カーターのもとを尋ねる。

ここでの強大な体制への疑念と自由を重んじるスティーブの姿勢は原作のシビル・ウォーでスティーブが象徴する立場を表していて、既に「シビル・ウォー」のテーマが織り込まれている感じがします。

重なる疑念、そして事件勃発

ブラック・ウィドウがインド洋で手に入れたデータから、「インサイト計画」の確実性に疑念を持ったフューリーは、副官のマリア・ロスと落ち合うためにワシントンDC市街で車を走らせる途中で警官に扮した武装集団に襲われる。車に仕込んだ武装で敵から逃れるフューリーの前に金属製の左手を持つ男が現れ、車を爆破するが、フューリーは間一髪逃れる。
ここに出てくるフューリーの車載A.I.の一癖ある物言いはおそらく「アイアンマン」のスタークが作ったものなんだろうなぁと思わせる。

怪我を負ったフューリーはスティーブのセーフハウスに身を寄せ、S.H.I.E.L.D内部に敵がいることを告げたところを金属製の左手を持つ男に狙撃される。隣室の住人を装いスティーブの警護にあたっていたエージェント31が駆けつけ、スティーブは狙撃犯を追うが、逃げられる。

そして治療も甲斐なく息を引き取るフューリー。 彼を撃った銃の特徴から、ブラック・ウィドウは狙撃犯が謎の暗殺者、ウィンター・ソルジャーであることを確信する。

フューリーの死後、彼がテロリストを雇って衛星打ち上げ船を襲わせていたことを示す証拠が見つかり、S.H.I.E.L.D内部に黒い影が広がる。 その影を払拭しようとするようにピアース理事は「インサイト計画」の実行を採択する。

S.H.I.E.L.D本部のエレベーター内でストライクチームに拘束されそうになったスティーブは危機を脱してブラック・ウィドウと共に逃走する。フューリーが遺したデータの謎を解き明かすために。

S.H.I.E.L.DとHYDRA

ストライクチームの追跡をくぐり抜け、フューリーが遺したデータの出処を突き止めたスティーブとブラック・ウィドウはかつてスティーブが超人兵士となるための訓練を受けた基地へたどり着く。その地下にあったのは、ペギー・カーターや”アイアンマン”、トニー・スタークの父、ハワード・スタークらが創設したS.H.I.E.L.D発祥の秘密基地だった。 更にその奥深くで彼らを待ち受けていたのは、膨大な量のテープドライブに自らの知識を記録することで生きながらえたHYDRAの科学者、アーニム・ゾラだった。

ゾラはペーパークリップ作戦によってアメリカへと籍を移し、研究を続けながらS.H.I.E.L.D内部にHYDRAのシンパを増やし続けていたのだ。 その結果、滅びたと思われていたHYDRAはS.H.I.E.L.Dの裏側として大きな力を持っていたことが明らかになる。
ペーパークリップ作戦は実際に行われたナチスドイツの科学者をアメリカに引き入れた作戦。荒唐無稽なヒーローアクションに史実のリアリティを織り交ぜる感じがたまらない。
湾岸戦争イラク戦争もHYDRAの陰謀だったという示唆も入れているあたり、さすがにアメリカに都合良すぎやしないかと思うけど。

HYDRAはゾラもろともスティーブ、ブラック・ウィドウを葬ろうとミサイルを基地に向ける。

明らかになるインサイト計画の全貌、新しい仲間、旧き友

ミサイル攻撃から脱したスティーブ、ブラック・ウィドウはサム・ウィルソンの元へと逃げ延び、助けを求める。 サム・ウィルソンは翼のついたエンジンユニットで自由に空を飛ぶ”ファルコン”として戦列に加わる。

HYDRA側についていたS.H.I.E.L.Dの士官シットウェルを尋問した3人は、表向きはテロリストを排除するための計画である「インサイト計画」が、人類に自ら自由を放棄させ、世界統治を果たす為、HYDRAにとって都合の悪い人物を一挙に抹殺する計画であることを告白させる。
ここでシットウェルと共に出てくるいかにも悪そうな議員は「アイアンマン2」でスタークを公聴会で問い詰める議員。やっぱり悪人だったか、と爆笑した。

HYDRA、そしてピアースの陰謀を止めるために急ぐ3人をウィンター・ソルジャー率いる武装集団が襲う。市街戦の中で対峙するスティーブとウィンター・ソルジャー。そして、スティーブはウィンター・ソルジャーの正体が大戦中に死んだと思われていた親友、バッキー・バーンズであると知る。

ストライクチームによって拘束されるスティーブ、ブラック・ウィドウ、ファルコンだったが、マリア・ロスの手引により、実は生きていたフューリーと合流を果たす。

反撃、そして「アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン」へ

インサイト計画に使われる3機のヘリキャリアを無効化するためにスティーブ達はS.H.I.E.L.D本部に乗り込む。 陰謀がフューリーに知れたピアースはスティーブと出会ったことで洗脳が解けそうになったウィンター・ソルジャーを再洗脳し、スティーブ達の阻止へと向かわせる。

ヘリキャリアの中で対峙し、死闘を繰り広げるスティーブとウィンター・ソルジャー=バッキー。 辛くも勝利したスティーブは全てのヘリキャリアのコントロールを奪還し、互いを攻撃、破壊させる。 ヘリキャリアの内部で残骸に挟まれたバッキーを救い、スティーブは力を使い果たす。 川に沈んでいくスティーブを助け、バッキーはどこへともなく去っていく。 ヘリキャリア内の死闘を最初に観た時、スター・ウォーズ/帝国の逆襲を思い出した。ヘリキャリアの武器、ファルコンの空中アクションも観モノ。

HYDRAと表裏一体であったことが明らかになったS.H.I.E.L.Dは解体され、フューリーはHYDRAの残党を倒すべく全てを捨ててヨーロッパへ発つ。回復したスティーブはファルコンとともにバッキーの過去を探る。

というわけで、(2)はこの辺で。(3)では「アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン」のあらすじを紹介しながら、残りのシビル・ウォーの登場人物を紹介します。間に合え!